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- 2017-10-16
「もしかして私、眼鏡ブス!?」そんな悩める貴女に似合うメガネの見つけ方
元祖メガネ男子ミュージシャンであり、タモさん・みうらじゅんさん的な「サングラスの人」としても知られる(?)、かせきさいだぁ学長肝入りのアイウェア企画がついに登場。ビューティーコンシェルジュ・サイダーKが運命のように貴女に似合うメガネを見繕い、チャームポイントを引き立て、美しく彩るスタイリング指南。
取材・文・撮影/勝又啓太(Sketches of Design/kasekicider.com 管理人)
イントロダクション
(勝又の)ヘアメイク: 比田井貴久(blala)
かせきさいだぁスタッフの勝又です。前回、スケボーデビュー記事を読んだ皆様から、次々と「私も Penny 買ったョ!」という報告をいただきました。もしかしたら、皆さんのデビューのきっかけになれたのかもしれません。
一方で、「編集後記」でひそかに募集していた、「メガネ」スタイリングの新企画ですが、こっそり過ぎて、なんと応募ゼロ!これではビューティーコンシェルジュ・サイダーKに合わせる顔がありません……。
ビクビクしながら電話してみると、
Photo: 川島小鳥
「ハロー(もしもし)、サイダーKだョ。勝又さんは気にしなくていいョ。それはきっと、世の中にメガネが似合わなくて困っている女の子はいないってことだョ。」
と、「良かった。病気の子供はいないんだ。」みたいな、ハートフルなお返事をいただきました。
さらには、「かといって企画ポシャっちゃったら、それはそれで勝又さん困るよネ。サイダーKにドーンと任せておいてョ!このビューティーコンシェルジュ・サイダーKが一声かければ、すぐに集まるからネ。」
た、頼もしい!
しばらくすると、ディレクターのT田さんからの電話が。
「あ~、勝又さん、さっきかせさんが『竹ちゃん~、応募ゼロ(涙)は、ほんとカッコつかなくてマズいから、なんとかしてよ~(涙)。』って泣きついてきたんですけど、とりあえず、レーベル(※)の新人女性スタッフ二人、取材同行って名目で確保しておきましたんで~、あと、当日は、勝又さんのほうでテキトーによろしくお願いします。」。
※『ONIGIRI UNIVERSITY』をはじめとした、かせきさいだぁ音源がリリースされているレーベルのこと。カジヒデキさんや、M-5『常夏ココナッツ』にもギターとコーラスに参加してくれているRei さんの音源もリリースされているのもココです。
ええ~っ、サイダーK、あんなに自信満々だったのに……!そして、T田さん仕事早いのはいいけど、そんなドッキリ企画みたいなキャスティングで大丈夫でしょうか……?!
というわけで、若干の不安を抱えつつ、ぼくらは当日を迎えることになるのでした。
ターゲット登場
そうこうするうちに、レーベルの女性、畑さん(新人)と廻谷さん(新人)が会場に到着しました。一応、今日は「かせきさいだぁ『ONIGIRI UNIVERSITY』のプロモーション取材の同行」っていう名目なので、まずは、それっぽい話で場を和ませることにしました。
左: 廻谷さん(新人)/右: 畑さん(新人)。
「かせきさいだぁ」謹製「CIDER」ミニワッペンを手にしてご満悦の二人。このあと待ち受ける運命を知るよしはなかった……
- ――本日のライターとカメラマンを担当させていただく、勝又と申します。よろしくお願いします。取材の前に、同行のおふたりにも、『ONIGIRI UNIVERSITY』の感想をアンケートさせていただいてもよろしいですか?
はい!実は、いっつも社内のBGMで『ONIGIRI UNIVERSITY』流しながら仕事しているんです!私のお気に入りはM-2「カンフーダンス」で、リピートしてかかるたびに「キタ―――(゚∀゚) 」って小躍りしちゃうんです。
廻谷さん、時々「カンフーダンス」に合わせて「ウッ、ハッ!」ってやってますよ!
はい!私、人の目を盗んで「カンフーダンス」の練習やってるんです。
- ――おっ、それは楽しい!(かせきさんはあのダンス、試したけれどもPV撮影までに習得できなくて諦めたなんて言えない……)
あと、廻谷さん、デスクトップの壁紙、かせきさんの写真なんですよ!
※実話です(レーベルの偉い人談)キャッ、恥ずかしい!(*/ω\*) 畑さんったら、それは言わない約束でしょー!
- ――「若いOLに人気」とメモして、かせきさんに報告しておきますね……。(えっ、これ仕込みじゃないですよね……?)
つづいて、畑さんはどの曲がお気に入りなんですか? 私は、全曲好きなんですけど、強いて挙げるなら、M-10「わたしのはっぴいえんど」ですね。聴いていると、不思議と心に沁みるんですよ。
- ――渋いところついてきますね。M-7「さよならファンタスティカ」を境に、M-8~10はポップさを、内省が上回ってくる名唱で、心に深く入ってくるのはすごくわかります。
アルバムとしても、ブックレット見ると「こんなにゲストいっぱい参加しているんだ」って驚くとともに、作品として一つの流れを作っていて、すごいなって。
私、もともと、TOTEM ROCKの「STAY TUNE(feat. キタキマユ)」がすごい好きで、Suchmos より先にステイチューンしてましたから(笑)。
ビューティーコンシェルジュ・サイダーK登場
そんな感じで場があったまってきたところで、サイダーK登場。いよいよネタばらし!というか、本題に。
「ハーイ、ビューティーコンシェルジュ・サイダーKだョ。今日は、畑チャンと廻谷チャンの美しさをより際立たせるようなアイウェアを選ぼうネ!」
うっ、二人とも突然すぎて状況つかめないのか怪訝な顔!とりあえず、「before」ということでパシャッ!
左: 廻谷さん こう見えて昔はドクターマーチン履いていたらしい。
右: 畑さん 両親が若い。なんとサイダーKより若いそう。
アイウェア・スタイリング開始
今回サイダーKがスタイリングに使用するアイウェアは、イギリスの老舗メーカー「OLIVER GOLDSMITH」と日本のメーカー「ENALLOID」。
「どちらもシックで伝統的なデザインながらもエッジの効いたシェイプが特徴のメーカーだョ。強いていれば、どちらかというとOLIVER GOLDSMITHはガシッとしたファット気味な雰囲気で、ENALLOIDは繊細な優しい雰囲気を醸しているネ。ちなみにサイダーKの今日のアイウェアはENALLOIDだョ。」
熱く語り始めるサイダーK
廻谷チャンは、メガネいつもどうやって選んでいるのかナ?
はい!丸いフレームだと、顔が丸顔なのが目立っちゃうかなと思って、なんとなく四角いものを選んでいました。
それネ!メガネ選ぶ時って、ついつい顔のコンプレックス隠すようなものを選びがちなんだけど、正解は逆なんだョ。むしろ、自分のコンプレックスを「個性」ととらえて、増強させる、言わば「デフォルメ」させるアイテムを選ぼうネ。それが無個性にならずに、「貴女らしさ」を醸す「メガネ選びのポイント①」だョ。
なるほど~。コンプレックスを消しても、無個性になっちゃうのか……。私はどれがいいんだろう……。
そんな感じでサイダーKとともにスタイリングを始めた二人は、最初は半信半疑だったものの、徐々にノってきたようです。
畑さんは、メガネ持っていないんだよネ?つまり、ファースト・アイウェア。初めてだからこそちゃんと選びたいところだネ。「メガネ選びのポイント②」は、流行のデザインに乗るんじゃなくて、自分に合っているスタンダードなアイテムを見つけることだョ。流行もののと違って、長く使えて無駄にならないしネ。
メガネ歴30年以上のサイダーKとしては、今回の「OLIVER GOLDSMITH」や「ENALLOID」のようなクラシックで、シンプルなデザインのアイウェアをオススメするョ。
はい!でも、ちょっと予算が……。
ノ~!メガネはファッションアイテムであると同時に、矯正器具でもあるからこそ、ちゃんとしたかけ心地を追求したほうがよいんだョ。そして、ちゃんとしたものはそれなりの値段はするネ。普通のもので2万円以上、良いものはだいたい3万円台からって考えてネ。
伊達メガネならどうですか?
ム~、完全に一時的なオシャレ用だったら安くてもいいかもだけどネ。でも、度入りで普段遣いするならちゃんとしたものを、ちゃんとフィッティングしないと、長時間かけているうちに耳や鼻が痛くなったり、ずり落ちてきて何度も直さないといけなかったりで、とにかく不快になっちゃうョ。
はい!ちゃんとしたものを買って、ちゃんとしたお店で調整してもらう、と。
そう、そのほうが結局は経済的だと、サイダーKは思うョ。クラシックでシンプルなものなら、長く使えるワケ。流行のデザインに高いお金かけちゃっても、飽きが早いし、普段かけなくなっちゃうよネ。
「貴女にぴったりの、貴方の美しさを際立たせる」アイウェア決定!
というわけで、サイダーKによるメガネ講義を交えて、30分ほどスタイリングを行ったところで、おふたりにぴったりのアイウェアが決定!
予想以上にメガネ美人になったおふたりに、サイダーKもゴキゲン。ツーショットを決めていました。
これで無事終了かと思いきや、サイダーKが突然、「せっかくだから、サングラスもスタイリングしちゃおうョ」と言い出しました!予定時間を延長して、再度スタイリングが始まりました。まあ、女性陣お二人もまんざらでもない様子ですので、よしとしましょう!これぞ、サイダーKマジック!
サイダーK曰く、「サングラスはちょっと冒険してみようネ!」ということで、セレブ風からUKロック風、松田聖子風まで、あらゆる角度から攻めます。こちらも15分ほど格闘した結果、おふたりにぴったりのサングラスが見つかったようです。カッコイイ!写真もクールに決まっているんじゃないでしょうか。
アイウェア・スタイリングを終えて
- ――皆さん、おつかれさまでした。それでは、おふたりにサイダーKのアイウェア・スタイリングを受けた感想を聞いてみましょう。
はい!これまでメガネを選ぶときは、「自分はこうかな」みたいなセルフイメージでなんとなく選んでいました。今回初めて人に選んでもらうという経験、しかも、ビューティーコンシェルジュの方に選んでいただいたわけですが、普段自分では手に取らなそうなアイテムを選んでもらってチャレンジしたことで、「意外なものが似合う」という発見が得られました。
私、これまでメガネをかけること、なかったんです。というのも、ずっと「自分には似合わない」って決めつけてしまっていたんですね。だから、選ぼうにも何をどうすればいいのかわからない状態で。
だけど、今回ビューティーコンシェルジュの方に選んでいただいて、「自分にも似合うメガネってあるんだな」というのが私にとっての発見でした。
畑チャンは、黒縁のも似合ってたョ。
ありがとうございます。私、ファッションに無頓着でついつい毎日同じような服装しちゃうんですけど、それでもメガネという要素をくわえることで新鮮な気分が味わえるかもって思いました!
サイダーKのスタイリングはネは、女の子をみんなヤッピー!ビューティー!にしてハッピー!にするのがモットーだからネ。
はい!私が一番ガツンと来たのは、ビューティーコンシェルジュの方に言われた「コンプレックスは隠すものじゃなく、むしろ強調するもの」という言葉。ファッションに帯する意識が変わりました。これからは丸顔も武器にしていきます!
サイダーKも丸顔だからネ。一緒だネ。廻谷チャンの気持ち、わかるョ。サイダーKにも自分に迷っている若い時があったからネ。当時は、「坂本教授(坂本龍一)のようなスッとしたスタイルがステキ!」って憧れてたんだョ。でも、それには細野(晴臣)さんタイプの丸い顔をどうしたものかって悩んでいたんだョ。
そんなサイダーKの転機は、高校一年生のときだったカナ。ぜんぶコンプレックスを受け入れたんだョ。
えっ、高校一年生のとき、何があったんですか!?
こう見えてサイダーKって、身長も163cmと低いんだよネ。だから、どんなにかっこいい格好したって、いっこうに似合わないなあって嘆いていたワケ。だけど、『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)』のマイケル・J・フォックス(身長163cm)を見て、チビにはチビの良さがあるってわかったんだョ。そう!欠点こそ自分らしさにつながるんだよネ。それですっかり、コンプレックスは消えたネ。
もう翌日から、髪型も服も変えたんだョ。当時流行っていたチェッカーズのまがいものみたいなのは一切やめて、自分の欠点をさらけ出したョ。そしたらネ、みんな昨日までよりハッピーに話しかけてくれるワケ。
どういうことですか?
ほら、コンプレックスって隠そう隠そうってすればするほど、人にそれが伝わっちゃうよネ?そうすると、周囲も気を遣っちゃうョ。たとえば、サイダーKがいつも厚底のラバーソウル履いてたら、「あの人、チビなの気にしているのかしら?」ってなっちゃうよネ。だからサイダーKは、逆にペタンコな靴ばっかり履いているワケ。
なるほど~。
私もサイダーKみたいに変われるかな?これまで何度か変わりたいと思いつつ、きっかけもタイミングもなかったので……。
今日をそのきっかけにすればいいんだョ。畑チャンは、いくらでも変われるョ!むしろ変身させがいがあるネ。
それも楽しそう!最初は、どうなるかと思いましたけど……。
はい!「なにこれ、騙された……」って思いましたよね。
でも、今日は、自分の良さを見つけてくれた、ビューティーコンシェルジュに出会えて良かった!ありがとうございました。
今日もまた、ヤッピーでビューティーでハッピーな女の子を増やすことができて、サイダーKも嬉しいョ。次に会うときには、もっとヤッピーでビューティーでハッピーな畑チャン、廻谷チャンでいてネ!チャオ~!
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- 第十五回『トータル・リコール』
監督: ポール・ヴァーホーヴェン/主演: アーノルド・シュワルツェネッガー/1990年公開/アメリカ/113分
編集後記
ぼく自身は小学生の頃からの年季入ったメガネ・ヘヴィユーザですが、「シンプルなものを」というサイダーKの教えに反してついついトリッキーなデザインを選びがちなので、むしろぼくにスタイリングして欲しかったです(私信)。そして、撮影と取材に夢中だったため、今回の展示ちゃんと見ることができず歯がゆい想いです。それくらいメガネって世界!
それにしても、おにぎり大学は、すっかりぼくの日常を変えた前回のスケボーといい、小宮山雄飛さんとのレトルトカレーといい、日本語について再考せざるを得ないいとうせいこうさんとの対談といい、しっかり「知を広げる」という大学としての目的や役割を果たしているんじゃないかと思わずにはいられません(……きこえますか……文科省の方々……今……あなたに……直接……呼びかけています……かせきさいだぁは……アカデミックな仕事も……お待ちしているのです……お待ちしていますよ……)。
あと、サイダーKは年に数回、「一大事業」と称して、手持ちのメガネやサングラスを、定期的に超音波洗浄してメンテナンスしているそうです。新しいアイウェアを探しつつも、ぼくもそろそろ一大事業しないとなと思わされた、そんなファッションの秋のおともにお楽しみいただけたなら幸いです。